雪国へ行くと社宅にあれがない! 忘れられない引っ越しの思い出

 春は引越しシーズン! わが家が夫の転勤で雪国へ転居したのも春先のこと。新居は社宅で、引越し業者に荷物を運び入れてもらえば生活できると思っていたのですが…。いざ到着してみると、とても暮らせる状態ではなく、慌てふためいた体験談です。
この記事の目次

新居に到着してびっくり!

写真AC

 転勤先は、豪雪地帯としても知られる中越地方。最寄り駅に降りたつと、みぞれ混じりの雨模様、路肩には雪が残っていました。旧居のまわりでは桜が咲いていたのに、まるで真冬に逆戻りしてしまったかのような寒さに驚愕。

 新居となる社宅マンションは築年数も浅く、間取りは3LDK。夫婦のみで暮らすには十分すぎる広さです。当時新婚だった私達は、新生活への期待に胸をふくらませながら室内へ足を踏み入れたのですが…ふと気がつきました。

 どの部屋にも、エアコンと照明器具がありません。壁や天井に取り外された跡だけが残っていました。

 「もしかして、こっちで準備しなきゃいけなかったわけ!?」

 あらかじめ担当部署に確認しておかなかったこちらも良くなかったのですが、まさか社宅にエアコンも照明器具もついていないとは思いもせず…。

 仕方なく、現地で買い揃えることになったのですが、引っ越し業者が荷物を搬入し終える頃にはすでに夕方。家電量販店は遠く、疲れて出かける元気もありません。

 「とりあえず、今晩はこの状態で乗りきろう」そう話していると、インターホンが鳴りました。

隣人からの「差し入れ」に救われた夜

写真AC

 インターホンを鳴らしたのは、隣の家の奥さん。「暖房器具なしじゃ寒いでしょう。これ、使って」そう言って差し出されたのは、なんと電気ストーブ!

 日中に挨拶に行ったとき、私達が「部屋にエアコンがなくて寒い!」と漏らしてしまったのを聞いて、自宅にあるものを持ってきてくれたのです。

 夜が更けるにつれて、室内はしんしんと冷えこんでいきました。ダンボール箱のどれかに、羽織り物や電気あんかなどが入っていたはずなのですが、トイレと洗面所以外には照明もない暗闇のなかでは荷解きもはかどりません。

 初めは、着てきたコートのまま布団と二枚重ねた毛布にくるまり身を寄せあっていたものの、凍えるような寒さでとても眠れず…。

 「まさか、こんなことになるなんて!」「石油ストーブもいるよね。朝になったら買いにいこう!」

 お隣から借りた電気ストーブをつけ、すっぽり毛布をかぶり、まんじりともしないまま長い一夜を明かしました。

 慣れない土地へ来て早々に困っていたなか、隣人の気遣いには本当に救われました。

 借りたストーブは翌日、丁重にお礼を言ってお返しし、私達は開店と同時に家電量販店へ駆けこみました。
結局、各部屋ぶんの照明器具に加え、エアコン3台と石油ストーブ2台を購入。

引っ越し前にぜひ確認を!

写真AC

 雪国の社宅で3年ほど過ごしたあと、私達は夫の転職に伴って、ふたたび元いた町へ戻ることになりました。
 退去する際はやはり、照明器具やエアコンを取り外さなければなりませんでした。

 転居先は温暖な地方で、賃貸マンションにはエアコンも照明器具もついています。雪国の社宅で使用していた照明器具、エアコン、石油ストーブは、わずか3年ですべて不要に。

 取り外しや処分に、けっこうな費用と手間がかかりました。

 引越し前後の慌ただしさに取りまぎれてしまいがちですが、新居にエアコンと照明器具があるかどうかについては、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

(ファンファン福岡公式ライター/桐谷きこり)

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