わずか4人から4,500万円を調達した「猫」がテーマのビジネスとは?

 猫はかわいい。のびのび自由気ままな姿と、愛くるしいまなざし、身を寄せてくる甘えん坊なところも心をワシづかみする癒やしの存在。そんな猫を中心とした飼い主同士のマッチングサービス「nyatching(ニャッチング)」が、福岡市をベースにリリースされ、猫好きの間で話題に! その仕掛け人は、27歳の猫愛好家、谷口紗喜子さんだ。元敏腕営業女子谷口さんの起業を軸に、理想とする猫コミュニティーについての話を伺った。
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Q.  猫好きが猫好きのための事業を開始!  他にはないサービスってなに? 

 私自身1人暮らしで猫を飼い始めて実感したのが、猫は犬より飼育数が多い割に、猫向けのサービスが少ないこと。会社員時代は出張が多くて、愛猫を預けるたびに困っていました。ペットホテルだと環境の変化で猫がストレスを抱えることがあるし、ペットシッターも少ない状況。猫にも飼い主にもうれしいサービスが欲しいとずっと感じていて、「だったら自分が作ってしまおう!」と(笑)。
 そこで、猫の飼い主専門のソーシャルブリーディングサービス「ニャッチング」を立ち上げました。

 これは、猫の飼い主同士が仲良くなって一緒に遊んだり、困ったときに助け合ったりするマッチングサービスです。
nyatching(ニャッチング) 「ニャッチング」に登録すると、近所の飼い主(ユーザー)や飼い猫のプロフィル情報をチェックできるので、好みの猫がいたらお気に入りボタンである「マーキング」をクリックします。双方が「マーキング」状態になったらマッチング成立! そこからメッセージのやりとりができるので、信頼を深めていけば直接会うことが可能です。
 例えば、出張や旅行の際には近所のユーザーに一時的に飼い猫を預かってもらったり、何らかの事情で猫を手放さなければならなくなったときも別のユーザーが飼い主になってくれたりと、猫にまつわることで人々が助け合える環境が広がっています。
 私も猫を1匹飼っていますが、愛猫以外の別の猫にももっと触れたいな~と思うことがあるんですよ。だから、自分好みの猫を「ニャッチング」で探して、飼い主さんにコンタクトを取って会いに行き、猫と触れて遊んだりすることも。飼い主としても、近所に“世話好きのおばちゃん”が増える感覚ですよね。おやつをくれるし、なにかとかわいがってくれる。もしも将来猫が亡くなったときには一緒に弔ってくれるような温かい関係性が理想です。

Q. 起業時に3,000万円の支援金を調達! どうやって集めたの!?

 出資してくださったのは前職でお世話になった経営者の方々。大学卒業後、人材系の企業に入社して、ずっと経営者営業を担当していたので、人の縁に恵まれた環境でした。私は根っからの猫好きで、以前からよくクライアントさんに「猫をテーマにしたビジネスって面白いですよね!」と話していたんです。“ネコノミクス”という言葉があるくらい、猫は人の興味を引きますし、事業対象としてポテンシャルが高いと感じていました。
 これまで東京、大阪、福岡を拠点に経営者営業を行っていたこともあり、親交が深い社長さんや猫のビジネスに関心がある方に出資をお願いしました。ありがたいことにクラウドファンディングを使わず、起業時には直接4名の方から合計約3,000万円を投資してもらえました。

Q. 26歳でベンチャー企業を設立! もともと独立願望があったんですか?

 父が経営者なので、私も一生会社員ではないだろうなと、ぼんやり思っていました。また社会人1年目から経営者営業でしたし、取引先の社長さんたちが楽しそうだったから、自分も起業したい気持ちが膨らんでいきました。
 猫好きが高じて「ニャッチング」のサービスを思いついたのが2年前の25歳の頃。それから半年後には会社を退職して半年後に会社を立ち上げ、さらに起業して半年たった6月22日にWEBサイト「ニャッチング」のα版(テスト版)をリリース。展開が早いといわれますが、これはもうノリと勢い(笑)。でも登記してからリリースまでは本当にめまぐるしい毎日でした…!

Q. 異業種での起業で、苦労した点はどんなところですか?

 最初は完全に手探り状態で、わからないことだらけ。とりあえず、起業コミュニティ(旧大名小学校にあるスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」)に参加して、知り合いを増やしながらいろいろ教わり、作業面も協力してもらいました。「起業します!」と自分から声をあげたら、自然と助けてくれる人が集まってくるんです。

 サービスの広報活動は、お金をかけずに自分の足を使って地道に登録者を募りました。「猫のエサ配っています」という看板を持ちながら街中で勧誘して、登録してくれた方には猫のペットフードをプレゼントするという企画。これで2,000人の事前登録者を集めました!

Q. 出資者から集めた支援金の使い道は?

今までコストがかかったのは、WEBのシステム構築。α版(テスト版)の設備投資は、デザイナー、カメラマン、システムエンジニアなどのデザイン費用と人件費。あとはオフィスの準備から商標登録まで、ちりも積もれば…でけっこうかかりました。


 実は今、フルリニューアルに向けて準備中なんです。来年リリースのバージョンでは、飼い主以外の猫好きや、プロのシッターも参加できる仕組みにして、里親募集を含めた地域でのコミュニケーションを取れるタイムライン機能をつける予定。

この「ニャッチング」を通して飼い主と猫好きがつながることで、世の中の猫ライフがもっと楽しくなるんじゃないかなと思っています。

 また、飼い主同士が助け合える環境を作ることで、人が猫を飼うハードルを下げ、里親募集も活性化させて、“猫の殺処分ゼロ”に働きかけたい。これが私の最大の目標です!

株式会社nyans 谷口 紗喜子
 1991年生まれ、京都府出身。小さい頃の夢は「猫になりたい」。猫のすべてをこよなく愛すあまり、26歳でベンチャー企業を立ち上げ、猫の飼い主のマッチングサービス「nyatching(ニャッチング)」を運営開始。猫と人の共生社会を改善しながら、殺処分ゼロの世界を目指す。

mymo
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