世界遺産「神宿る島」で守られてきた「女人禁制」 のワケとは

 宗像市の玄界灘沖合約60キロに浮かぶ沖ノ島。この孤島は、古代の祭祀の遺産や信仰が守り継がれており、「神宿る島」と呼ばれています。最近では2017年に世界遺産に登録されたことで注目が集まっていますね。祈りの孤島は、島全体がご神体であり、祈りの対象として大変崇敬されてきました。それゆえに、いくつかの禁忌が存在し、長い間、ベールに包まれてきました。その禁忌の一つとして知られているのが、島に女性の立ち入りを禁止する「女人禁制」です。これは、世界遺産の候補になった時も、世界のメディアに取り上げられ話題になりました。なぜ、女人禁制なのでしょう。
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■海の正倉院

 そもそも、沖ノ島とはどんな島なのか。山腹には、宗像市の宗像大社の沖津宮(おきつみや)があります。また、島には航海の安全を願ったとされる4~9世紀の祭祀跡が残っています。銅鏡、金製指輪など出土した約8万点が国宝指定となり、古代から東アジアと交流の歴史を示す貴重なものとして高く評価されています。そのため、島は「海の正倉院」と呼ばれています。

■島を守る女神様のため…

 そして、島の祭神は、航海の守護神で宗像三女神の一柱、田心姫神(たごりひめのかみ)という女性の神様です。古事記や日本書紀によると、九州と朝鮮半島を結ぶ要衝地・宗像に、国を守るために降り立ったとされています。そして、この女神が、女人禁制と深く関係しているという一説があるのです。

 その説とは、「女人が島に上陸すると嫉妬するから」というものです。伝わるところによると、田心姫神はとても嫉妬深い女神。女性が島に足を踏み入れるだけで、怒ってしまうとされています。そのため、ずっとこの掟が守られてきたとされています。※女人禁制の理由は諸説あります

 実際は、神職以外は原則、男性も入島禁止という掟があります。年に1度だけ沖津宮大祭の時にだけ一般男性の上陸が認められる機会がありましたが、2018年からは沖ノ島の保護などの観点から、大祭は中止となり、神職や必要と認められた学術研究者や社殿修理者以外は原則入れないことになりました。事実上の全面的な入島禁止です。

■禁忌はいくつも

 島には他にも「島で見聞きしたことを他言しない」「島のものを持ち出してはいけない」などとする禁忌も守られてきました。そのため、手つかずの原始林は国指定の天然記念物で、貴重な野生の鳥が生息、繁殖する場としても知られています。禁忌が守られてきた独特の文化があるからこそ、聖地化され、多くの人を惹きつけるのかもしれませんね。

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