特別展「王義之と日本の書」に触れ、「書くこと」の大切さを知った。

九州国立博物館のホームページを開くと、現在行われている「王義之と日本の書」についてが書かれていた。以下、HPより抜粋。
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「7世紀・中国唐時代、当時最も尊重・愛玩された書が4世紀・東晋時代の王羲之の書であった。
唐の皇帝太宗は、中国全土の王羲之の肉筆を収集し、その精巧な摸本を作らせた。
奈良時代、日本にも遣唐使によってその一部が紹介された。

以後、日本人の書法の師(手師(てし))として尊敬された王羲之は、日本の書の源流であり根幹となった。
平安時代初期、入唐した空海・最澄らは唐時代の書の文化を吸収して帰国。
8〜9世紀の日本は、唐時代の文化と書法に強いあこがれを抱き、王羲之を頂点とする漢字書法の吸収に邁進した時代であった」

出典:www.kyuhaku.jp

この文章を読んだ時、3~4世紀ごろの日本が思い浮かんだ。
歴史に詳しいわけではないが、最近話題なった福岡県赤村の前方後円墳や魏志倭人伝、邪馬台国から大和朝廷への移り変わりなど、様々なできごとが起きたこの頃、大陸から色んな文化も流入してきた。
その頃に書かれた、王義之の書。

もともと、貴族であった王義之が、楷書、行書、草書と文字を発展させながら、
いくつもの書を書いたが、現在は本人が書いたものはひとつも残っていない。
全て複製。今あるものは他の人の手による書き写しや、なぞり書きなのである。

時を経て、遣唐使の派遣で大陸に渡った空海や最澄がその王義之の書を日本に伝えた。
その書に強いあこがれを抱いた日本は、漢字書法を取り入れた。
そして、現在の漢字、ひらがな、カタカナ、へと独自の文字が確立された。

特別展では116の書が展示されてあるが、期間ごとに展示物が変わる。

4/8(日)で終了なので、見たい展示物があれば、その日を狙って行くのがよい。
私は「西郷隆盛」の「敬天愛人」を見たかったが、3/11までで終わっていた。
(足を運んだのは3/23)

西郷どんの真骨頂!といわれる書を見ることができなかったことは残念だが
その他にも感動的な書にたくさん出合えた。

特に心を惹かれたのは足利尊氏の

「清水寺願文」

~この世は夢の如くに候。尊氏に道心賜ばせ給候て、後生たすけさせ、をはしまし候べく侯。
猶々とく遁世したく候。道心賜ばせ給べく侯。今生の果報に替へて、後生たすけさせ給侯べく侯。
今生の果報をば、直義に賜ばせ侯て、直義安穏にまもらせ給侯べく侯~

この書の背景については色々あるが、とにかく書体に尊氏の切なる心情が表れ、
思いがよく伝わる。

また、右目が不自由だった伊達政宗の書も心情をよく表していた。
筆を握って、書き出しの文字は遠近感が取れずに大きく書いている。
しかし書き進むにつれ、超負けず嫌いな性格を表すかのごとく
徐々に均等の取れた字へと変わっていく、、、。
そういう背景をきちんと説明書きで解説してくれているので、
素人でも何となく書いた本人の心情も察することができるのだ。

その他には、王義之の書を複写したものや、
福岡今津の誓願寺より、国宝「誓願寺蘭盆縁起」は興味深かった。

また国宝「関山号」は関と山の間にある絶妙なスペースに釘付けになり
和紙文化が進むにつれ、美しい紙の上に書かれる表現豊かな文字にも心を奪われた。

それぞれの書には解説書きが必ずあるのだが、文字のことを褒めている言葉が
「柔和な」や「豊満な」や「肉太」や「温雅な」などと表してあるのが
書に疎い私にとっては新鮮だった。

会場には、お手本を見ながら画面にひらがなを指で書く、
という体験コーナーもあり、面白かった。
ひらがは本来、縦書き用に作られているため、ほとんどの人が縦書きの方が書きやすいと感じるそうだ。

私は書のことは全く分からない。
だから素人的な感想しか持てないし、勘違いも含め的外れな見方しかできないのだが、
それでも十分に興味を持って楽しめた。
それは展示会場に誰が行っても分かりやすく、楽しめるように色々と工夫がされてあるからだ。
具体的な説明がアニメで書かれてあったりもするので、本当に分かりやすい。

誰がどの書に響くかは人それぞれ。
感じ方も人それぞれ。
よく分かっていなくても、色々な作品に触れながら、自分の中の好奇心が駆り立てられていくこの感覚が好きだ。

現代は印刷技術、スマートホンの発達、そしてSNSの浸透により、ほとんどの人が書(手紙)を書くことはなくなった。

展示されてある書の中には、家族を心配する心情を綴った手紙もあり、
そういうのを眺めていると、私も筆(筆ペンだが)を執って大切な人へ手紙を書いてみようと思った。
またそれは自分の今の心情を綴った自分への手紙でもよいのではないかと。

小学校5年生の時に書道を習ったものの、正座してお手本通りに書くことが窮屈で仕方なく、おしゃべりばかりして隣の人の邪魔をし、先生に怒られ、その場で辞めさせられた「書道」を習いたくなった。

今まで美しい文字が素晴らしいと思っていたが、「王義之と日本の書」特別展には日本人的感覚の「美しい文字」ではなく、どちらかと言うと個性的で独創的なものばかりだった。そう、アートだ。

アートが人々に与える影響は本当に大きいと感じる特別展でもあった。

「王義之と日本の書」は4/8(金)まで。
金、土の週末は20時まで夜の博物館も開催中。

「高橋親子(英樹&真麻)」による音声ガイドは超おすすめです。特に書に詳しくない方はぜひ。とても分かりやすいです。

※掲載されている情報は、2019年12月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
2019年10月1日からの消費税増税に伴い、表記価格が実際と異なる場合がありますので、そちらも併せて事前にお調べください。

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