「やりたいことは、何歳からでも」専業主婦からイチゴ農家に転身した女性

今回は、福岡県朝倉市のイチゴ農家、山﨑梨佳さん(40)を訪ねました。 専業主婦を12年間経験した後、実家の土地で福岡県産のブランドイチゴ「あまおう」を作ることを決意。福岡県農業大学校(福岡県筑紫野市)の研修科に入学し、子育て、家事と両立させながら勉強に励みました。 ピアノ曲が流れるビニールハウスの中で、イチゴ作りへの思いをじっくり伺いました。
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―農業に携わろうと思ったきっかけは。

 実家が代々農業を営み、祖父母は専業、父母は兼業でカキを栽培していました。私は3姉妹の長女で、先祖の土地を自分が受け継ごうと、就農を決めました。「これからの時代は、皮をむかずに手軽に食べられる果物が好まれる」と、イチゴを農作物に選びました。現在、10アールのハウスで約6千株のイチゴを栽培しています。

 最初は「女性が子育てしながら1人で農業するなんて無理だ」と、周囲に反対されました。私自身も12年間主婦だったので、「家事と両立できるのだろうか?」と、ずいぶん悩みました。

―仕事の大変さ、楽しさは。

 今月から収穫が始まり、来年6月まで続きます。クリスマス、お正月、バレンタイン、桃の節句と、年中行事が続くので需要も高まります。

今は、毎朝8時ごろにはハウスに来て、古い葉の摘み取りや消毒、箱詰めなどの作業をします。農作物が相手なので休日もなく、生育が気になって眠れない日もあります。家事や炊事もあるため時間の制約があり、思い通りに作業が進まないときは泣きたくなることもあります。でも、今の生活はすごく充実しています。

作業は、父母に手伝ってもらうときもあります。「イチゴは、宝石みたいだね」と母が言ったきは、私も本当にそうだなあと思いました。

―7月の九州豪雨では大きな被害を受けたそうですね。

 ビニールハウス全体が土砂に漬かりましたが、避難しながら農作業を続けました。大学校時代の友人が県内各地から集まり、土砂のかき出しを手伝ってくれました。本当にありがたく、「学校に通って良かった」と思いました。

まだ完全には復旧しておらず、おそらく来年の秋ごろまではかかるでしょうが、通常の作業はできています。

―今後の抱負は。

 就農してから家事がおろそかになり、「家族を犠牲にしているのでは」と思うときもあります。でも、夫は「いい仕事しよるね」と言ってくれます。仕事をしているときの私は、生き生きしているそうです。8歳の娘は、「お母さんのイチゴが一番おいしいよ」とか、「イチゴを触っているときのお母さんは、笑顔だね」と言ってくれるんですよ。放課後は、ハウスの横にある小屋の中で過ごすこともあります。

娘には、「やりたいことは、何歳からでも始められる。頑張ればできる」ということを、背中で伝えていきたいと思っています。一度きりの人生、後悔せずに過ごしたいと思います。

農業は、愛情をかけた分だけ応えてくれる点が子育てにも通じます。食べた人が笑顔になるようなイチゴを、これからも作っていきたいですね。

※掲載されている情報は、2020年01月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
2019年10月1日からの消費税増税に伴い、表記価格が実際と異なる場合がありますので、そちらも併せて事前にお調べください。

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