【アフリカ・ニジェール共和国】子どもと教育と貧困

【日本が羨ましいよ。子供たちはきちんとした教育を受けることが出来て、夢が持てるから。この国では夢なんて持てない。】
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3年前に出会ったニジェールの英語ガイドのモシャの言葉。
いつまでも忘れられず、心に残っている。
教育にこだわっていたモシャは英語ガイドを辞めて、今は英語の先生になる為に、トレーニング中だ。
今回の渡航で会えないかと思っていたら、私がニジェールにいる情報を聞き付けて、わざわざホテルまで会いに来てくれた。
【ニジェールは平和で何もないところなのに、ヨーロッパの渡航禁止勧告のせいでほとんど観光客が来なくなった。皆、ケニアや南アフリカに行ってしまった。僕らから言わせれば危険度は向こうの方が高く思えるのに。】
とモシャが開口一番、悲しそうに言う。
確かにその通りかもしれない。
日本や諸外国の各機関は国の政情などを見て、状態を判断し様々な勧告を出すがモシャの言う通り、実際に身の危険を感じる国は首都で言えばニジェールよりも、ケニアや南アの方が比べものにならないくらい高い。
外国人を狙ったホテルやバーなどでも爆破事件も良く起きる。
そういった地域では現地ガイドも女王が危険な目に遭わないように、目配り気配りでピリピリしている印象がある。
しかし、ニジェールでは町を歩いていても、地元の人で溢れる市場を歩いていても、危険だと感じることはない。

内戦や度重なるクーデターのせいで、貧しい人が本当に多いのだが、お金や食べ物が欲しくても、服や髪やバックを引っ張ることもなく、ニコニコ笑いながら付いて来るだけ。気さくで写真を撮ることもさほど問題ない。
とは言ったものの、国の勧告情報を信じるなという訳ではない。
政情不安からすれば、いつ何が起きるかわからない状態であり、外国人を狙った誘拐事件も起きているし、情報は正しいのだ。
ただ、実際に訪れてみて、モシャの言葉に妙に納得してしまった部分はあった。
それでは今日はモシャの言葉を交えながら、旅の最後に訪れたニジェールを。
まずは、ニジェールのことを少し。

ニジェール共和国はアフリカの西部に位置する。
人口は約1800万人。公用語はフランス語。

1960年にフランスから独立以降、度重なる軍事クーデターなどで国は常に不安定。
北部にはウラン鉱脈があり、ウランの埋蔵量は世界第三位だが、常に争いの原因となる。
ニジェールのウランには日本も関わっている。
しかし、どんなに天然資源は豊富でも、ニジェールはいつまで経っても最貧国から抜け出せない。
1日1.25ドル以下で生活する国民は全体の44%を占める。平均年齢は45歳。
首都には全長4180キロメートルのニジェール川が流れる。
稚内から那覇までが約3400キロメートルと言われているので、日本よりも遥かに長い。

ニジェール川には野生のカバも生息し、ラッキーな日は数頭のカバが鼻先を川面に出す姿や、岸に上がって草を食べる姿が見られる。

川沿いに暮らす人々、カヌーに乗り漁をする男たち、水辺に咲く白や黄色やピンクの花々、様々な種類の鳥たちのさえずりや羽ばたき、そして悠々たる大河の流れを感じながらの約2時間のクルーズは陸地とはまるで別世界だ。

地方で行われるボロロ族の美男子コンテスト「ゲレウォール」は有名だ。

さて、ニジェールは今回で3回目の渡航だが、この国へ来ていつも感じることは
『学校に行っていない子供が多い』
・普通は学校に行っている時間に必死でピーナッツを売る女の子
・小さいバケツを持って水汲みをする3歳にも満たない子供
・動物の皮を柔らかくする為に、素手でひたすらガソリンオイルを塗る少年
・市場で揚げドーナツを売る女の子

こういうこともあった。動物園と国立博物館が一緒になった施設でのこと。綺麗な制服を着てカバンと文房具セットを持ち、課外授業に来ている小学生と、その子達に付いて回るように、汚れた服を来た子供達。
10人位の貧しい子供たちは自分たちも少しでもその課外授業に参加しようと、笑顔で一緒に付いて回っている。学校に行きたい気持ちが全身から溢れ出ているのが手に取るように分かる。
しかしその子たちは私を見つけると、すぐにこちら側に来た。顔も体も洋服も泥だらけだ。かわいそうなくらい長い時間、必死で付いて来る。それも笑顔で。

モシャが言う。
【ここでは教育を受けられない子供が多すぎる。子供は街へ出て来て、物乞いをしてそのまま夜はストリートで眠る。そしてまた起きて誰かに物乞いをする。】
ニジェールの子供の20%がストリートチルドレンだそうだ。親もいない、学校にも行けない、病院にも行けない。
【本当はニジェールは観光が素晴らしいんだ。国は観光地化を進めて行くべきなのに、今は中国と親密化を図っている。道路もビルも橋も全て中国資本。でも彼らは自国のためにアフリカにマーケットを拡大しに来ているだけ。中国と付き合っていても、庶民には良いことなんて一つもない。国自体が良くなる兆しはゼロだ。ストリートチルドレンも減るどころか、増えるばかりだ。】

モシャの言葉にハッとした。
本当にそうだ。今までアフリカ諸国で中国が道路を整備し、橋を架け、国会議事堂や政府関係の省庁なども建て、大きな事業をやっている様子をたくさん見てきた。どの国も資源が豊富でありながら、人々の生活はかなり貧しい。そして市場に溢れかえるMADE IN CHINA の数々。
【電化製品も携帯もスマートフォンも日用品も労働者まで全て中国製。彼らにはアフリカを良くしようなんて気は一切ない。自国の利益しか考えてない。日本の安倍首相や昭恵夫人に子供たちが良くなるようもっと支援して欲しいよ】
アフリカを旅していると、JICAや日本の民間企業の取り組みを良く目にする。空港などでも現地で活動している人に会う時もある。
アフリカ人たちに良く言われる。
「日本が中国と絶対的に違うのは草の根的な活動をしてくれる。農業支援や技術支援など、根底から変えてくれようとしているのが分かる。」
まさかこんなところに???というような場所に日本の国旗があったりする。
ただ、こうも言われる。
「日本の支援は国の貧困の加速に追い付いていない。日本は法律が厳しすぎる」
~道路がアスファルトになっても、ストリートチルドレンが減ることはない~
と言ったが
~草の根的支援をしていても、ストリートチルドレンが減ることはない~
とも言えるのではないだろうか?
ただ、中国と日本が明らかに違うのは「志」だ。だから現地の人に信頼されているし、慕われている。

中国資本によりあちらこちらで開発工事が行われ、見た目にはどんどん発展しているかのように見える傍ら、泥だらけに汚れた手で物乞いをする子供たち。教育も受けられず、病院にも行けず、夢を見ることさえ出来ない子供たち。このとてつもないギャップに歯痒いような、もどかしいような、そして何とも言えない罪悪感のようなものを感じてしまった。
モシャはこの3年で大きく変わっていた。3年前は現状に悲観し、溜め息が多く、暗いイメージしかなかったが、今は全く違う彼がそこにいた。心の底から湧き上がる強い思いがヒシヒシと伝わってくる。
ニジェールでは2月21日に大統領選挙が行われた。21日の第1回目の投票では昨年6月、29年ぶりに日本に来日した現大統領イスフ氏が勝利。そして3月末までに決選投票が行われる。先月の帰国日にちょうど選挙活動がスタートし、イスフ大統領が地方よりキャンペーンをスタートした。可能性としては現大統領が再選する見通しが高いという。

今すぐに子供たちにお金をあげたい。
食べ物を買ってあげたい。
泥だらけであろうがすぐにその場で抱きしめてあげたい。
お風呂で綺麗に洗ってあげたい。
日本に連れて帰りたい。
教育を受けさせたい。
いつもアフリカで様々な思いが頭をよぎるが、悲しいことに私は無力だ。
現地の状況を伝えることしか出来ない。でも、今は伝え続けようと思う。
これしか出来ないのだから。
アフリカに行くようになってもう随分と長い時間が経つが、今や私の人生において切り離せないものとなってしまったアフリカ。
~いつかアフリカに恩返し~
という思いが色褪せることはない。
今回、モシャに再会して、色んなことを急がなければいけないと感じた。
 

※掲載されている情報は、2020年01月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
2019年10月1日からの消費税増税に伴い、表記価格が実際と異なる場合がありますので、そちらも併せて事前にお調べください。

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