福岡人が「福岡っていいところやろ?」と言ってしまう深い理由!?

福岡テンジン大学・岩永学長の人気コラム第三弾は「福岡っていいところやろ?」と福岡人が言ってしまう理由に迫ります。流動人口率の高い福岡で、こぞって市民が福岡を愛する発言に至るその理由とは?今回も、ついつい誰かに話したくなるエピソードが盛りだくさん!福岡人の福岡愛が、全国に届きますように!
この記事の目次
フクリパ

福岡人の半分はよそ者でできている。

にわかには信じがたいが福岡市民約160万人のうち、80万人近くが「福岡市に住んで10年未満」である。つまり、福岡市外から引っ越してきて10年未満の人が半分近く住んでいるのがこの街である。

✔生まれてからずっと福岡市民(全年代)は6.1%しかいない
✔福岡市に住んでまだ10年経ってない人は48.3%もいる
✔福岡市で生まれ育った10歳未満の子どもは3.1%
✔つまり、市外で生まれ引っ越してきて10年未満の人が45.2%にもなる

これは、5年おきに全国一斉で調査される“国勢調査”の2015年版から出した数字だ。このデータによると2015年当時の福岡市民は約154万人。

フクリパ

国勢調査に「居住期間」という項目がある。この項目の回答で「20年以上その都市に住んでいる人」の人口比率を見ると、いかに福岡市民が「入れ替わっているか」がわかる。

そんなの大都市なら当たり前だろ?と思うので、日本の主要都市でも調べてみた。ご覧の通り、福岡市は大都市に並ぶ「人口流動都市」なのだ。

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都市の「人口」に詳しい方はピンと来るだろう。「そりゃ福岡市は日本一人口増加率の高い都市だからね~、よそから人が入ってきてるから」と。そう、その通りなのである。

ここで大いなる疑問がこれだ。前の記事でも紹介した「福岡市のことが好きですか」の市民の回答が、誰が見ても異常(97%が「好き」または「どちらかと言えば好き」と回答:2020年1月発表・福岡市政調査)であることが結びつかないのだ。

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福岡市に住んでいる多くの人がよそからやってきた人で、また出ていくのになぜそんなにも「好き」と言ってしまえるのか。

「福岡」が称賛されることに喜びを感じる福岡市民?

日本の政令指定都市及び東京都区部の21都市を対象に行った調査「市民のプライド・ランキング」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング・2017年調査)で、福岡市が様々な項目で1位を独占した。とくに「愛着」「誇り」の両項目では他都市をぶっちぎっての1位。
やはり「福岡人は福岡が好き」は、福岡の人にとっては当たり前だが、他都市から見たら異常なのである。

まだある。
47都道府県の魅力を伝えるTV番組「秘密のケンミンSHOW」に福岡が取り上げられると、福岡県内の視聴率は普段より格段に跳ね上がり、他県よりもそれが顕著だと広告代理店の人から聞いた。

今では全国区になった福岡出身のお笑いタレント・博多華丸が、この番組内で「博多のうどん」を食べてコメントし茶の間を笑わせた。これに多くの福岡人が翌日の学校や職場で話題にしていた、といたるところで聞いたことを今でも覚えている。

そう、福岡人は「福岡が称賛されること」「福岡が注目されること」に喜びを感じるのだ。

でもおかしい、生まれ育ったわけでもない、住んで10年未満の人が市民の半分近くもいるのに、なぜこのような「愛着」や「誇り」が芽生えてしまうのか?

こんな話を県外から福岡へ来た知人から聞いた。

初めての福岡だったので、雰囲気を味わいに屋台へ行った。たまたま隣にいたサラリーマンのおじさんとその部下の男性2人から声をかけられ、「福岡いいところやろ?」と聞かれたとか。この否定できない「質問」が繰り出されるのが特徴で、Yes!と答えた知人はその場でラーメンをごちそうしてもらったそうだ。

福岡市

ちなみに知人はその男性2人に「福岡出身ですか?」と聞くと、2人とも他県出身だったから本当に驚いた、という話だ。

これをリアルな場面でも目撃した。

福岡テンジン大学の姉妹校に、愛知県名古屋市を拠点にしている「大ナゴヤ大学」というのがある。この大学の運営スタッフ2人が福岡へやってくるというので、私と福岡テンジン大学を開校当時から支え、理事にも就任しているY氏と接待したのだ。

福岡市出身でもない、かろうじて県内だが北九州市の隣町出身であるY氏が、お酒も進んで名古屋からやってきた2人にやはりこの発言をした。

「福岡っていいところやろ?」

「福岡の好感度を上げる」ことに全力を尽くす

福岡は古来より博多という国際港の機能があり、多くの人・物・文化・情報が行き来した。遣隋使・遣唐使はもちろんのこと、日宋貿易の主要港も務め、海外から様々なものが入ってきた。目新しいものがこのまちで最初にお披露目され、それが東日本へと広まっていく経由地を2000年ほど積み重ねた歴史がある。

フクリパ:地下鉄呉服町駅近くに展示されている「博多古図」。鎌倉時代に描かれた「平安時代の袖の港(博多港)」の古地図。

そんな土地ではどんな風土が育つのか?
多くの目新しい“なにか”は、まだ日本に存在しないものばかりだっただろう。その新しいものに人々は興奮し、それをもたらしてくれる人を歓迎し、ときには商機ととらえて飛びつく商家も多かったことが容易に想起できる。

こんな記録が残っている。
時は室町時代の西暦1420年、室町幕府が朝鮮国王に使節団を派遣した御礼に、朝鮮国王使が日本にやってきた。その航路もまた「博多」を経由し、京の都へ向かう。このときの朝鮮国王使が「老松堂日本行録」という日記を書き、ここに博多についての記述がある。

一次資料を手に取ってないが、多くの研究者や書籍の訳から要約させていただくと・・・
博多入りをしたときは、まるでどんたくパレードのように見物人が道を埋め尽くし、当時博多を治めていた武士の代官が、過剰なまでの接待をし、大量の酒を用意していた。
と褒めちぎっている。

フクリパ:[paylessimages© 123RF.com]

きっと代官たちも言ったに違いない。

「この町、いいところやろ?」

福岡に住んだ人に伝染する「福岡愛」の正体とは

現代科学では、生物が持つ個性が時間を越えて次世代に引き継がれるものを「遺伝子」と呼ぶ。では、その土地が持つ個性が時間を越えて引き継がれるものを、何と呼べば良いのだろうか?

フクリパ:[paylessimages© 123RF.com]

福岡という都市は人口の入れ替わりが激しいにも関わらず、福岡に住んだ人が「福岡を好きになる」ことや、福岡に来た人に「福岡を好きになってもらう」行動を取る現象は、いったいどんな原理が働いているのだろうか?

ラテン語に「ゲニウス・ロキ」という言葉がある。建築学・文化人類学・まちづくりの文脈で使われている概念で、その土地での人々の営みや記憶が積み重なることによって帯びる「土地や空間が持つ性質・個性」のことを指す言葉のようだ。

このゲニウス・ロキの視点から見ると、福岡という都市が持つ「福岡人が福岡を好きになる」現象は、2,000年近くこの土地で人々が積み重ねてきた営みや記憶があったからこその現象なのではないか、と思い至っている。

この福岡におけるゲニウス・ロキがある限り、これからも福岡に住んだ人を「福岡好き」にさせてしまう魔法は、まだまだ続きそうである。

ちなみに、今年39歳となる私は、前回の国勢調査時(2015年)は34歳、この時点で「生まれてからずっと福岡市民の30~34歳」の人は、約154万人でたったの2,667人しかいない。私は0.2%の生まれも育ちも福岡市な超貴重な人材として、これからも福岡のまちを盛り立てていきたいと思う。



文=岩永 真一

※掲載されている情報は、2020年12月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
2019年10月1日からの消費税増税に伴い、表記価格が実際と異なる場合がありますので、そちらも併せて事前にお調べください。

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