わが家がデグーを飼い始めたのは、一人娘のためでした。当時5歳だった娘のきょうだい代わりに、何かペットを飼いたいと思ったのです。マンション住まいのため、ケージの中で飼える小動物がいいとペットショップ巡りをしていた時、娘が一目ぼれしたのが1匹のデグーでした。
デグーはハムスターより大きくて、モルモットより少し小さい、げっ歯類の小動物。アンデス山脈に生息し、小鳥のさえずりのような声でピルピル鳴くので「アンデスの歌うネズミ」という異名もあります。
すでに1歳を過ぎていたそのデグーは、ちょっぴり売れ残り感が漂っていました。でも人懐っこく、娘の肩にテクテク上ってくる姿を見ていたら、私もすっかり魅了されました。こうして、デグーはわが家の一員になりました。
さらに半年後には、初代デグーのグー(仮名)が留守番している時に寂しくないように、生後2カ月の赤ちゃんデグーを迎えました。この子の名前はサラ(仮名)。2匹はすぐに仲良くなりました。
前脚を使って餌を食べる姿は、まるでリスのよう。回し車で走ったり、かじり木をかじったりして、起きている時間は忙しそうに過ごしています。夜は布団で眠りますが、わが家の2匹は重なり合った「デグー団子」状態でよく寝ています。
デグーは、犬並みの知能を持つといわれていて、ネット上には、瓶のふたを開けたり、サイズ違いの容器をきちんと重ねたりするデグーの動画もアップされています。
でも、犬にも個体差があるように、デグーもそれぞれ違います。グーは、その場でクルクル回る「おまわり」や「お手」をあっという間に習得。ケージの中にタオルを運び込むのも上手です。
一方サラは、赤ちゃんの頃から育てたというのに、芸は何一つ習得しませんでした。グーがせっかく運び込んだタオルを、入れるそばからせっせと外に出していることもあります。そんな2匹のやり取りは、まるでコントのようで笑えます。
頭の良さばかりがフィーチャーされがちですが、デグーの一番の魅力は、感情が豊かなところだと思います。
ツンデレしたり、嫉妬したり、失敗したらごまかしたり。小さいくせに一人前のプライドを持っているところが本当に愛らしいのです。上目使いで甘えてきて、耳元でピルピル鳴かれたら、いくらでもおやつをあげそうになってしまいます。
もちろん飼育は、時には大変です。餌やりや掃除は毎日必要ですし、夏は1日中エアコンをフル稼働させなければいけません。
それでも、私が帰宅すると昼寝中でも起きてきて、寝ぼけ眼で出迎えてくれたり、肩に飛び乗ってきたりする姿に、飼育の大変さなんて吹き飛ぶほど癒やされています。
デグーの寿命は5~8年ほどといわれていて、わが家のデグーは現在5歳と6歳半です。2匹とも老デグーに近付いていますが、今のところ健康です。この先ご長寿デグーになっても、2匹仲良く私を癒やしてくれるよう祈りを込めて、今日もせっせとデグー小屋の掃除をしています。
(ファンファン福岡公式ライター/あいちー)