「フランス絵画の精華」に見るフランス文化・芸術の魅力って? 

 フランス美術が最も華やいだ17~19世紀の名画86点が集まる特別展「フランス絵画の精華」が九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開催中です。なかでも18世紀のロココ美術は、甘美、優美、そして繊細な表現そのもの。今回は、名画に描かれた当時の暮らしやファッションなどを通して女性たちをとりこにするバラのように華やかな、フランス文化・芸術を探っていきましょう。
この記事の目次
九州国立博物館

 「ルイ15世時代のフランス宮廷で 花開いた文化・芸術の魅力を私と共に学びましょう」ファンファン福岡の読者のためにジョフラン夫人が案内してくれました。

「フランスの芸術文化はサロンで花開きましたの」

 貴族や裕福な市民階級の女性が主催したサロンは、18世紀フランスの芸術文化をリードする社交の場でした。私がパリの自邸で主宰していたサロンには、水曜はモンテスキューなど著名な文学者や哲学者が、月曜にはブーシェ、ラ・トゥールといった画家、彫刻家が集いました。若きモーツアルトが演奏したこともありますのよ。

九州国立博物館

ジャン=マルク・ナチエ《ジョフラン夫人(マリー=テレーズ・ジョフラン)の肖像》
1738年頃 東京富士美術館
(C)Tokyo Fuji Art Museum All Rights Reserved

【解説】画家ナチエは、モデルの貴婦人たちを女神になぞらえて美しさや若さを表現する仮装肖像画の名手でした。ジョフラン夫人はこのとき39歳。気品と知性が漂っていて、芸術の女神ミューズのようです。

「ポンパドゥール侯爵夫人は、ロココの華でしたわ」

 太陽神アポロンの恋物語を原作にした音楽付き劇「イセ」は、1749年にベルサイユ宮殿の舞台で3度上演され、ルイ15世の寵姫・ポンパドゥール侯爵夫人が主役のイセを演じました。

 作品中央に描かれたイセの顔立ちは、夫人をかたどっています。美しく才知豊かだった夫人はまさに「ロココの華」でしたわ。

九州国立博物館

フランソワ・ブーシェ《羊飼いのイセに神の姿をみせるアポロン》1750年 トゥール美術館
Photo (C) RMN-Grand Palais / Agence Bulloz / distributed by AMF

【解説】18世紀のロココ美術を代表するブーシェが音楽付き劇「イセ」を題材に描いた作品。柔らかな色彩、アモルたちが、らせん状に舞う軽やかな動きのある構図が、恋物語にふさわしい効果を生んでいます。

「王妃アントワネットはリンクコーデがお好きでした」

 ポリニャック公爵夫人は王妃マリー=アントワネットの親友です。王妃の離宮プチ・トリアノンでは、王妃の田舎趣味に合わせ、羊飼い風などと呼ばれた麦わら帽子とシンプルなドレスのコーディネートで仲良く過ごしていましたわ。今で言うところの「リンクコーデ」ですわね。

九州国立博物館

エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン《ポリニャック公爵夫人、ガブリエル・ヨランド・クロード・マルチーヌ・ド・ポラストロン》 1782年 ヴェルサイユ宮殿美術館
Photo (C) RMN-Grand Palais(Château de Versailles)/ Gérard Blot / distributed by AMF
★撮影OK

【解説】女性画家の草分けヴィジェ・ルブランは、典雅な肖像画を描き、フランス革命で亡命してからも各国の宮廷で人気を博しました。ポリニャック公爵夫人の肖像画は、白い歯をのぞかせたことで今にも語りかけそうな親密さが生まれています。

「誰の楽譜か分かるように描くなんて、忖度かしら」

 この絵の女性が手にしているのは、王妃マリー=アントワネットの音楽教師グリュックが作曲したオペラの楽譜です。グリュックは王妃のもとで王家の子どもたちに音楽を教えていましたから、画家が忖度(そんたく)したのかもしれませんわね。

九州国立博物館

エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン《クリュソル・フロランサック男爵夫人、アンヌ=マリ・ジョゼフィーヌ・ガブリエル・ベルナール・ド・ブーランヴィリエ》 1785年 トゥールーズ、オーギュスタン美術館
Toulouse,mus´ee des Augustins

【解説】光を受けた右目の輝きと影になった左目の表現に、ヴィジェ・ルブランの光への鋭敏な感覚が見て取れます。板に描かれたため絵肌が艶やか。

「ワトートレーンは画家ヴァトーから。ご存じ?」

 野外に集う貴族たちが音楽やダンス、恋の駆け引きを楽しむ色彩豊かな絵画から、絶対君主ルイ14世が亡くなった後の自由でおおらかな時代の雰囲気が伝わってきませんこと?
 ウエディングドレスでよく見られる、肩から裾に広がるトレーンをワトーと呼びますが、これは画家ヴァトーが好んで描いたドレスからきていますのよ。

九州国立博物館

ジャン=アントワーヌ・ヴァトー《ヴェネチアの宴》 1718-1719年頃 スコットランド・ナショナル・ギャラリー
National Galleries of Scotland. Bequest of Lady Murray of Henderland 1861
★撮影OK ★日本初公開

【解説】ヴァトーは、野外に集いダンスや会話に興じる男女を情緒豊かに表した「雅宴画」を生み出しました。画面右端でバグパイプを演奏する男は、ヴァトー本人の自画像です。

「体を解放したドレスが流行しましたわ」

 古代ギリシャの衣装を思わせるハイウエストの白いドレスが19世紀初頭のモードでした。コルセットの締めつけから、体を大胆に解放した簡素な衣服に一挙に変化したのは、1789年のフランス革命後のことだったでしょうか。

九州国立博物館

フランソワ=アンリ・ミュラール《女の肖像》 1810年代 東京富士美術館
(C)Tokyo Fuji Art Museum All Rights Reserved.

◆英仏独などの美術館から傑作86点が一堂に!

 フランス絵画300年の流れをたどる特別展「フランス絵画の精華」は、英・仏・独などの著名コレクションが所蔵する傑作を一度に鑑賞できるまたとないチャンス。全86作品中33点が日本初公開です。東京・福岡・大阪だけの巡回展です。

 会場には宝塚歌劇「ベルサイユのばら」で使われたマリー=アントワネットとその恋人フェルゼンの衣装も展示されます。

(C)宝塚歌劇団

「ベルサイユのばら」の舞台衣装も展示

 またパッケージが「ポリニャック公爵夫人」のお菓子も登場。グッズコーナーで販売中です。会期中のみの期間限定。ここでしか買えません!

<期間限定>フランス絵画の精華 ミニバームクーヘン 648円(税込み)

 「ベルサイユのばら」とのコラボグッズも!

(C)池田理代子プロダクション

クリアファイル各 300円

九州国立博物館

エドゥアール・マネ《散歩》
1880年頃、油彩・カンヴァス、92.3×70.5cm、東京富士美術館
(C)東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華 大様式の形成と変容

期間:開催中~3月29日(日)
場所:九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4-7-2)
時間:9:30~17:00(入館は~16:30 ※毎週金・土曜は~20:00(入館は~19:30)
月曜休館 ※2/24(月・休)は開館、2/25(火)は休館
料金:一般 1,600円(1,400円 高大生 900円(700円) 小中生 500円(300円) ※(  )内は前売りおよび団体料金
問い合わせ:NTTハローダイヤル
電話:050-5542-8600(8:00〜22:00、年中無休)

九州国立博物館
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※掲載されている情報は、2020年02月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
2019年10月1日からの消費税増税に伴い、表記価格が実際と異なる場合がありますので、そちらも併せて事前にお調べください。

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