カプセルトイがやりたくて…娘がとった切な過ぎる行動とは

 子育て中、自分が子どもの頃に好きだったものに再会するのはなかなか楽しいものです。でも、懐かしいなあとよく見てみたら、当時と変わっているものも多く、時代の変化を感じることも。  数十年ぶりにカプセルトイをやってみようとしたあの時も、私はその変化に衝撃を受けました。
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 カプセルトイとは、コインを投入口に入れてハンドルをガチャガチャ回したら、おもちゃ入りのカプセルが転がり出てくる小さな自動販売機。おもちゃが欲しいというよりもハンドルをガチャガチャ回すのが楽しくて、私も子どもの頃、母にねだってやらせてもらったものでした。

 あの頃カプセルに入っていたのは、キャラクターの消しゴムやスーパーボールなどの本当にささやかなおもちゃ。料金も10~30円と、高くはありませんでした。

 カプセルトイが今でもあることは知っていましたし、最近は大人も欲しくなるような、ちょっと凝ったおもちゃも入っていると、噂には聞いていました。でも、私も夫もどちらかといえば堅実な性格で、欲しい物が出るとは限らないギャンブル的なカプセルトイとは縁のない生活。外出先でカプセルトイを見つけて興味津々で近づいて行く娘にも、いつも「見るだけだよ、買わないよ」と言って聞かせていたのです。

 しかし、娘が3歳の頃です。買い物に出掛けたショッピングモールで、上下段に重なったカプセルトイがずらりと並ぶコーナーに出くわしました。こんなにたくさんのカプセルトイを見たのは私も初めてで、興味もあって娘と一緒に近づいてみたのです。

 さまざまなカプセルトイの中には、かわいい動物のキーホルダーが入った物もあり、これならそんなにハズレはないかもと思った私。たまには娘にも楽しませてあげようかな、なんて思いながら料金を確認して驚きました。

 今のカプセルトイ、300円もするの?

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 もちろん私の育った昭和の頃とは環境も物価も違います。今でも10円でできるとは思っていなかったけれど、300円は想定外! と、思わず後ずさりした私の目に、衝撃の光景が飛び込んできました。

 娘がゆっくりズボンのポッケに手を突っ込み、何かを取り出した「振り」をしたのです。そして娘は、コイン投入口にそれを入れる「振り」をしました。さらにハンドルをガチャガチャ回す振りをして、取り出し口からカプセルを取り出す振りを。最後にカプセルをパカッと開ける振り…。

 なんと、いつも私に「見るだけだよ」と言われていたため、この日もどうせやらせてもらえないと悟っていた娘は、「エア・カプセルトイ」をしていたのです。

 私は切なさに胸を締め付けられながら、見えないおもちゃを手にヤッター! ヤッター! と喜ぶ娘を見つめていました。娘のそばに駆け寄って、リアル・カプセルトイをやらせてあげたい気持ちもありましたが、昭和育ちの母には300円の壁はやっぱり厚くて…。

 後日、100円のカプセルトイを見つけて娘にやらせてみました。残念ながら欲しかったおもちゃは出ませんでしたが、ハンドルをガチャガチャするのがとても楽しかったようです。
 昔と今、料金はかなり変わったけれど、子どもの気持ちは変わらないのだなあと、娘の笑顔を見ながら思った私でした。

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