初めてにしてソロデビュー!?いろんな汗をかいた娘のピアノ発表会

 近頃は子どもの習い事もバリエーションが豊富になってきましたが、習い事につきものといえば発表会。発表会では大勢の人の前に立つ子どもより、親の方が手に汗握ることも多いような気がしませんか?  娘の初めてのピアノ発表会で、私は緊張だけではない、いろんな汗をかかされました。
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 わが家にとっての初めての発表会は、娘がピアノを始めてまだ数カ月の頃でした。

 娘の通っていたピアノ教室では、幼児は4小節ほどの短い曲を2、3曲、先生の伴奏付きで演奏するのがお決まりでした。指1本でも弾けるくらいの簡単なメロディーなのに、先生が伴奏してくれるとものすごくゴージャスな演奏になり、私はウキウキしながら発表会で披露する曲のレッスンを聴いていました。

 ところが娘ときたら、ある日のレッスン中、隣に座って伴奏しようとした先生の手をガシっとつかんでこう言ったのです。

 「いいよ、いいよ。○○は1人で弾けるから」

 なんて失礼なことを! と私は大慌て。それでも娘は続けました。

 「連弾ってね、なんか邪魔されてる気がするんだよね」と、まるで大物ピアニストのような口ぶりです。

 私はその時「1人で弾くほど上手じゃないのにワガママ言って」と思ってしまったのですが、娘にとってはまだ習い始めたばかりのピアノ。隣で伴奏されると、つられてしまってちゃんと弾けなくなるという理由があったようなのです。

 そんな娘の気持ちを先生はすぐに察知してくれて、「じゃあ○○ちゃんは1人で弾くことにしようか」と言ってくれました。こうして娘は初めての発表会にしてソロデビューが決定したのです。

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 発表会の当日、パンフレットを確認すると、幼児で連弾しないのはやっぱり娘1人だけ。本当に1人で舞台に立って大丈夫なのかな? 他の親御さんに「あの子1人で弾くから上手なのかと思ったら…」なんて思われたりしないかな? なんて思いもありドキドキしていた私とは対照的に、この日のためにネットで購入したドレスに身を包んだ娘は、緊張もせずに大はりきりしています。

 そして娘は名前を呼ばれると、弾む足取りで舞台に登場し、ドレスの裾をつまんでプリンセスのようなお辞儀。先生に教えてもらった、上品なお辞儀とは全然違うとうろたえる私に向かってにやりと笑った娘は、ピアノに向かって演奏を始めました。

 和音もない、非常にシンプルなメロディーがホールに響き、気のせいか会場が変な空気になっているような…。すると1曲目が終わった娘はこっちを向いて両腕を上げ、頭の上に大きな丸をつくって私に「オッケー?」と確認してきたのです。

 会場にクスクス笑いが起こり、私は慌てて指で小さなOKマークをつくりました。すると娘は満足げに2曲目に移り、それが終わるとまた「オッケー?」

 今度は爆笑に変わった会場に、なんとなく救われた私。両腕で頭の上に大きな丸をつくって、娘にOKを返しました。そして娘は全3曲、ミスなくちゃんと弾き終えたのでした。

 発表会が終わってから、先生やいろんな方に「オッケーがよかったよ!」と声をかけてもらった娘。いろんな汗をかかされはしましたが、今となっては、とても楽しい発表会デビューの思い出です。

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