新卒採用担当者必見!フクリパデスクが大学生ライターを育ててみた

    フクリパでは、スタート時から大学生にもライターとして参加してもらっています。今回は、フクリパ編集部が、その企画の背景や、プロのライターやコラムニストに交じって、大学生が参加してくれた上での気づきをご紹介します。新卒採用の担当者にもヒントになる気づきがありますので、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
    この記事の目次
    フクリパ

    「大学生ライター」を企画してみた

    フクリパでは、現役大学生にライターとしての門戸を開いています。

    これまでに、計4名の大学生がライターとしてデビューしました。福岡の街並みに溶け込むアートについて、由緒ある神社が取り組む新たな試みについて、福岡市が取り組む事業についてなど、プロのライター顔負けの課題に対し、自分なりの視点での考察を入れた記事を書いてもらいました。

    フクリパには、ライターやコラムニストをまとめる「デスク」が存在し、記事ごとの企画や構成、文章のチェックなどを丁寧に行っているのですが、大学生にライターをお願いするに至った経緯や、その過程で得た気づきなどをご紹介したいと思います。

    「大学生ライター」企画の背景とは?

    大学生ライター企画は、九州大学、福岡大学の先生との意見交換から始まりました。企画内容や条件などをお伝えし、ライターの経験をしてみたい学生を毎回推薦してもらっています。

    大学生には、プロのライターと同じように、取材対象の事前リサーチや、取材交渉、取材、カメラマンとのやりとり、原稿作成、編集部内チェックを経ての取材先への校正確認など一連の記事制作の流れをすべてやってもらっています。

    ただし、やはりプロとは異なり、そもそも取材、原稿作成、社会人マナーなどの経験がないため、手取り足取りレクチャーすることも多く、はっきり言ってしまえば手間はかかります。

    それでも、なぜ大学生ライターという試みをやっているのか、その理由はいくつかあります。

    まず、フクリパのデスクやプロライターは、もともと媒体で記事を書く修行をした経験のある方がほとんどです(なかにはコラムニストの方もいらっしゃいますが)。

    反して、全国的に媒体が減っている昨今、自分たちのように編集部で新人時代から鍛えられて文章を書く訓練をしたような「場所」も減っている、このことに対する危惧がずっとありました。ですから、フクリパで文章力や取材のノウハウ、そして取材させてもらうという立場的なわきまえなどを経験する場所を提供したいと考えたのです。

    また、インターネットが生活の隅々にまで浸透した現在では、誰でも気軽に情報を発信することができます。逆に言うと、プロの原稿と素人の原稿が、WEBだとわかりづらくなっているのです。誤字や用例の間違った文章も、そのまま世の中に垂れ流されている現状にあって、その間違いに気づく力がなければ、同じように誤った日本語の使い方をまた伝播してしまう、という負の連鎖も起きていると考えています。
    そんな今だからこそ、次世代に「きちんとした文章を書くための経験」の機会を提供してみたい、と考えました。

    選定にあたり、「将来的にライターや編集を志しているか」は不問としました。取材対象者の事前リサーチ、当日の質問の仕方、文章の構成の考え方などは、社会に出てからも必ず役に立つ技術だと考えていますので、「フクリパ」なりの、大学生への経験の機会を作ることを目的としました。


    そして、なぜ「大学生に」と考えたのか、その背景には、フクリパのコンセプトである“福岡の今と「未来」をつむぐ。”があります。つまり、未来を担う次世代の彼らに経験を与えるとともに、我々も彼らの感覚から学ぶことがあるのではないかと考えたのです。フクリパを通して、福岡の魅力を再発見してもらうことで、社会人になって「福岡っていい!」と多くの人が感じているその意義を、学生のうちに経験することは、就職活動においても大きな判断材料になると考えました。

    4人の学生の記事と興味深いエピソードをご紹介!

    では、実際に4人が書いてくれた記事とともに、エピソードをご紹介します。

    ①企画も取材準備も手配も解像度高くしっかりこなす!見潮 美宥さん

    大学生ライターが行く!福岡のアート発見・再発見 〜新天町の大時計塔〜

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    フクリパ:

    当時九州大学芸術工学部画像設計学科の4年生だった見潮さん。自分でプロジェクトや3Dアニメーション制作、WEBサイト運営などを精力的にこなしていた彼女ですが、
    「ちゃんとしたメディアで書かせてもらう経験、してみたかったのでうれしいです!」
    と最初の打ち合わせで語ってくれました。

    未経験ながら、学内やサークルなどの活動でロジスティックスには慣れていたようで、
    ・テーマに対するアイデア出しのポイントについて
    ・決定した取材先に対するアポイントの取り方、取材時の服装について
    などなど、細かなことをしっかりと質問してきてくれました。
    また、「同級生に写真が得意な人がいるので彼女と一緒に取材に行っても大丈夫でしょうか」と、まぁプロも舌を巻くてきぱきぶりでした。

    そんな彼女が取り組んでくれたのは、「福岡のパブリックアート」というテーマに対し、新天町の大時計塔。「洋傘のしばた」の柴田会長からも貴重なお写真をお借りしたりと、企画趣旨を自分で理解し、取材先を見つけ出し、どんな視点でどんなことを聞きたいかを考える、しっかりとした取材ができていました。

    工程に対する理解と思考の解像度が高く、事前にシミュレーションをしっかりすることができていた彼女は、現在東京で頑張って働いています。

    ②「書く」という熱量に対する技量と想いの加え方を学んだ砂畑龍太郎さん

    博多の歴史と魂が織り成すアート・博多織

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    フクリパ

    福岡大学商学部の2年生だった砂畑君。立候補してくれてすぐに打ち合わせをしました。今だからこそ言えますが、「あれ?ちゃんと伝わっているかな?」と思ったのが正直なところ。
    しかし鹿児島出身の彼が福岡に来て2年弱の生活の中で「アート」と感じたものが「博多織」だったことに始まり、組合の存在にたどり着くまで、様々な調べものを頑張りました。

    電話でアポイントをとり、メールで企画書をお送りしたあと、なかなかお返事がいただけずに再度お電話を差し上げたところ、
    「君の電話番号がメールになかったからかけられなかった」
    と…単にメールの署名が大事ということではなく、取材依頼先にどのような形でもご連絡いただけるように準備することの大切さをスタート直後に学びました。

    そして彼は、この記事の公開を皮切りに、普段自分で書いていたWEB記事にも各段に変化が訪れます。

    コロナで新学年のゼミ生の募集活動ができない中、noteで「なんでも取材班」なる企画を立ち上げ、結果過去最高の応募者数を叩き出しただけでなく、「うちのゼミじゃなくてこっちがいいと思うよ」というゼミ選びのナビゲーションサービスまで生まれるに至りました。
    「これまでは、誰に向けて書くとか、何も考えてなかったことがよくわかりました」
    と語ってくれています。

    ③思考の階層深くまで言説を深める訓練をした大塚千尋さん

    神社はオンラインもLGBTQも受け入れる。香椎宮「Eカシヒノミヤ」を通して改めて知る、神社の「在り方」。

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    3人目の大塚さんも、砂畑君と同じ福岡大学商学部。
    「神社の神職さんを通して福岡の街を探ってみよう」というフクリパ内のテーマをもとに、香椎宮の試みについて取材してくれました。
    そう、つまり、もともとプロのライターに発注しようとしていたお題を、まさかの大学生に取り組んでもらったのです。

    実際、香椎宮で取り組まれている内容は、プロが聞いてもまとめることが難しいくらい、高度で成熟したものでした。

    ちょっとこれはハードルが高すぎたかな、と思いましたが、負けん気の強い大塚さんに対し、途中の原稿を引き取ってこちらで加筆修正をすると、「きっとはらかくだろうな(はらかく=腹を立てる、の方言です)」と思い、4回に渡る校正のラリーを繰り返しました。

    フクリパ

    論点をもう一歩深掘りする、なぜそう感じたのか?を追求するラリーの結果、しっかりと香椎宮の想い、神社の在り方を描き出せたのではないかと思います。


    ★ちなみに★
    ②の砂畑君と③の大塚さんは、大学生ならではの視点であるプロジェクトを立ち上げるに至りました。
    その模様は、来月のフクリパでご紹介させていただきます。どうぞお楽しみに!

    ④一つのテーマに対し多角的な視点でじっくり取り組んだ樋口純玲さん

    人の暮らしに偉大な影響を与えてくれる“植物のチカラ” 

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    フクリパ

    4人目の樋口さんは、福岡市の「一人一花」という事業について、「コロナでお花を買う人が増えたのでは?」という視点から、お花屋さん、そして街でお花の整備をしているボランティアさん、さらには福岡市の高島市長の記者会見まで取材するという約半年に渡る壮大な試みをやり切ってくれました。

    おっとりとして穏やかな性格ながら、誰かに指示されるのではなく、自分の頭でしっかり考えたい、という彼女の静かな熱量は、花に関わる方との相性も良かったようで、今後も個人的なつながりとして花に関わっていくのではないかと思われます。

    「あ、だったらここのお話も聞いてみたい」と自分で考え、追加取材のアポイントをとり、カメラマンにも自らコンタクトを取って積極的に動いていた彼女。

    「昨日カメラマンさんとここに行ってきました!」と報告をもらったときにはびっくりしましたが、記事を構成するにあたり、必要であることを自分で考え判断し、行動したことで彼女の中の積極性にも静かな灯がともったのではないかと感じています。

    大学生ライターを企画してみて感じていること

    先ほど「大学生のうちに、福岡の魅力を社会人目線で体験してもらいたい」と書きましたが、大学生として福岡で過ごす魅力って、ほんの一部に過ぎないんですよね。まだ自分の生活を賄えるほど潤沢に稼いでいるわけでもないですし、社会に出て初めて知ることがたくさんあると思っています。実際、社会の営み、仕組みを大学で学んでも、それを生きた「知」として実践できる場があってはじめて、その学びが腑に落ちるのだという瞬間を、彼らの隣で何度も見ることができました。

    また、彼らはプロと同じフィールドで取材活動をする中で、自分たちなりに考え、行動し、時には失敗もしながらも、大学で学んだ技術をしっかりと活かすことのできる「実体験」ができたことに確実に手応えを感じています。

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    だからこそ、学生と対峙して思ったことがあります。

    今の大学生の「仕事」「就活」への考え方は、私たち現役の社会人とはちょっと違うのではないか、ということ。

    もちろん、就活支援サイトの条件面で上から順番にチャレンジする子もいますが、一方で、「やりがい」を大切に考える子が想像以上に多いなと感じました。だからこそ、新卒の採用担当者は、ぜひ「大学生」「学生」というフィルタではなく、一人ひとりの個性を見に行くような視点で向き合われてみては?と考えます。

    学生の個性を見に行く、その理由

    スマホやWEBなど、情報発信、動画編集、なんなら自分で商売もはじめることができるIT環境で、彼らはたくましく学んでいます。さらに、コロナで思うようにキャンパスに足を運べない焦りやもどかしさから、より「自分は何ができるのか」という課題と対峙している学生が多いように見受けられます。

    新卒採用を検討している企業の人事担当の方は、ぜひ「大学生」ではなく、彼ら一人ひとりの「やりたいこと」「やれること」をしっかり見てあげられるようなプログラムを組んでみてください。

    今回ご紹介した4人の大学生ライターでなぞらえると、

    ①の見潮さんは、ロジスティックス力が高く全体的な把握を得意としていたので、そこを尊重して原稿の表現内容をフォローしました。

    ②の砂畑君は、対象への視点の深掘りをちょっと教えてあげただけで、書き方も質問の濃度もガラッと変わりました。

    ③の大塚さんは、そもそもが難しい題材ではありましたが、「対象となる読者が初見で読んでも理解できるところまでかみ砕く」ことを執拗に求めた結果、その課題をクリアしました。

    ④の樋口さんは、取材時に話をつなぎながら、自分の聞きたいこと+α(その場で初めて聞けること)をいかに引き出すか、の奥深さを感じ、自分でも実践しようと試みてくれました。

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    こうして見ていくと、自社にどんな人材が欲しいのかが明確になっていれば(ここはとても重要ですが)、まだまだ小刀とはいえ、武器を持って社会で生き抜こうとしている子はきっと見つかるはずです。
    その小刀を見つけ、頭ごなしに否定せずに尊重し、育てていく、という視点があれば、規模の大小に関係なく、志願してくれる学生はきっといると思います。

    「書きたい」と思う熱量があれば、技術的なことを教えてあげればいいわけですし、しっかりと企画概要を把握しタスクの棚卸ができる場合は、そこに専念できる仕事を与える、または本人が企画力を学びたい場合は、その力を鍛えれば即戦力に近くなります。
    最初から完璧な人材など現役社会人にだってそうそういるわけではありません。そんな中でも、何かキラリと光るものを隠し持っているのに(時代が違えばその光るものだけでも勝負にでた世代もいると思いますが)、彼らは「これだけじゃ足りない」と石橋を叩いている傾向があるように感じます。

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    「いや、その一点で十分よ、あとは一緒に学んでいこう!」
    と大人が手を差し伸べてあげることで、吸収率高く仕事を覚えてぐんぐん伸びる学生はきっといます。彼らは努力の割に、逡巡しすぎているだけなのです。

    そしてそれはきっと、生まれたときからずっと不景気で、何かを頑張ったら今より良くなる、という経験がないせいかもしれないな、と、ちょっと向き合っていて切なくなるときもあります。しかしその分慎重に、しっかりと「己のできること」を考えているので、ちょっと情報をあげるだけで成長します。それはもう、現役社会人がすぐに脅かされるのではないかというほどに。


    フクリパでは、現在も大学生ライターの取材活動が複数進行中です。
    自分が大学生だった頃には考えられなかったようなスキルを持っている彼・彼女たちが、社会に出る前に、社会の空気を感じるというこの企画を通して、よりよい職業選択を勝ち取ってくれることを願ってやみません。



    文=フクリパ編集部

    ※掲載されている情報は、2021年04月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
    2019年10月1日からの消費税増税に伴い、表記価格が実際と異なる場合がありますので、そちらも併せて事前にお調べください。

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